本に頼らず考える

このブログを立ち上げた時に決めたルールがある。それは自分の考えを書くときに、可能な限り本や他人の思想に頼らずに書くようにするということである。 私は何か物を考える時、既存の本を必要以上に参照しようとする癖がある。その方がもっともらしいからだ…

相違点

■ - shigusa_t’s diary 最終的な理想が実現された社会において、同性カップルが子供を持つことについては賛成できる。また、現状でも何か子供を幸せにしうる十分な目算があるなら問題ないと思う。 しかし、今無策に同性カップルが子供を持つことは、親を選ぶ…

「LGBT」への懸念

shigusa-t.hatenablog.com id:shigusa-t さんのエントリーを読んで、他人の価値観は自分の価値観とは異なるという当たり前の事実を実感した。 私個人は、性的嗜好そのものや性自認によって人が差別されることには反対の立場をとる。さらには、結婚は同性か異…

海辺

わたしがわたしとして生きていくうえで、身につけるべき技術(Art)というものがある。人生を通り過ぎていった心象を留めておく技術もそのひとつだ。 その心象は、人間の形をしているときもあれば、風景の形をしているときもある。実在の何かと結びついている…

小説を書きたいという欲求の正体

おそらく大多数の人が経験することであろうが、私は昔から小説を書きたいという衝動にかられることがあった。しかし、そのたびに私の欲求の捉えがたさに悩む。それは、小説という作品を作り上げることにはあまり関心が無いということだ。 つまり、ここでいう…

パスカルに憧れる

私の憧れの人は3人いる。パスカルとハンナ・アーレント、そして河野裕子だ。その一人、パスカルに触れてみたい。 パスカルは、数学者であると同時にモラリスト文学の代表者である。数学者としての様々な業績を放り出して信仰生活に邁進し、そのさなかに書か…

浅はかなPDCA

anond.hatelabo.jp 「頑張る」をベースにしたPDCAは最悪である、何度やっても「頑張る」以外のアクションが出ず、具体的に何が良くて何が悪かったのかを把握しないままになってしまうから、という話を聞いた。確かにそうだと思う。これ以外にも、浅はかなPDC…

物語はなぜ作られ続けるのだろうか

書店の扉を開けて、新刊の小説コーナーを眺めるたびにいつも思う。世界には既に一生かかっても読み切れないぐらい沢山の物語が既に出版されているのに、どうして未だに本が出版され続けられているのか、ということだ。 実用書や学問的な著作であれば、それが…

意味を与えたい

時々虚しくなる。なぜ自分はそう感じるのだろうか?それは私が何かを確実に生み出したという実感が無いからだ。作るということが、私にとっての生きる原動力になっていた。しかし今振り返ってみて、作るという行為から、何かが生み出されたという感覚がない…

ただ、思考だけが在る場所へ

自己否定については最近緩和されてきて、わりと積極的に他人と関われるようにもなってきた。ただ、そうなったからといって自分の根っこにあるどろどろしたもの、苛烈なものを出せるかどうかというのは別問題で。でもそれこそが自分のような気もしていて。 そ…

自分は本当に考えているのか?

時々、自分は本当に考えるということができているのだろうか、と不安に駆られることがある。私が何かを考えるときに、必ずどこかで読んだ本の知識や文章が頭に浮かび、流れ込んでくる。考えることに集中すればするほど、流れてくる本の知識の量は増大し、や…

『ハーモニー』の世界はなぜ息苦しいのか

映画『ハーモニー』を観た。もう言い尽くされていることだし、作品を読むなり観るなりすればすぐ分かることだが、ハーモニーの世界の息苦しさの理由について改めて整理してみようと思う。 『ハーモニー』の世界をトァンはなぜ「息苦しい」と感じたのか。その…

「人はなぜ学ぶのか」という問いの重要性

人はなぜ学ぶのだろうか。この問いが提出されることは少ない。「学ばせるにはどうすれば良いか」や「なぜ学ばなくてはならないのか」といった問いはよくある。そこでは学びとは、強制しなければしようとしない辛いもの、面倒なものという価値観が支配的であ…

学習に「能力」という言葉はいらない

学習に「能力」という概念は果たして必要なのだろうか。ぼんやりとそんなことを考えている。 一般的な意味での学習とは、何かができるようになる状態のことを指すことが多い。英語が話せるようになる。数式が解けるようになる。Rubyでソフトウェアを開発でき…

関心を表出する技術

現代のウェブを発展させるうえで欠かせない要素は何か、といえば私は「関心(interest)」であると答える。ウェブは当初、単なるドキュメントのネットワークでしかなかったが、そこに検索エンジンやソーシャルウェブサービスが備わることでハイパーリンクを通…

性急に結論を求めさせるウェブ

ウェブ上の討議において、議論の参加者が提出された意見を正しいか間違っているかの二択ですぐに評価しようとする状況をよく見る。その姿勢は議論を有益にしようとする真面目な態度から生じているのかもしれない。しかしながら提出された意見に対してその正…

考えるには「あなた」が必要である

思考は言葉を必要とする。そして言葉は受け取り手を必要とする。人間が言葉を生み出すとき、自分自身がまず受け取り手となり、言葉の意味を認識し、新たな言葉を生み出す。言葉の連なりが思考の輪郭を描き出し、思考を再構成する。思考は彫像のように一度生…

難民の受け入れについて

私の住む街には沢山の外国人が住んでいる。しかし、彼ら彼女らが日本で生活していくなかで何を感じ考えているかはこちらからはうかがえない。話す言葉も暮らす場所も、そこにあるのに私には読み解くことができない。だからもし彼ら彼女らが何か問題を抱えて…

公共圏という言葉に触れる

公共圏(公共性)という言葉が私にとってとても重要な言葉であると今日初めて知った。私はこれまで、学びのコミュニティを生み出すことを探究しつづけてきた。しかし、何を学ぶか、なぜ学ぶ必要があるのかということについて、核となる思想がなかったように…